20年落ち、ISO6のフィルム
昨日に引き続き2日連続の投稿になります。
こうやってネタ溜め込んどかないでちょくちょく小出しにするべきなんですがいかんせんズボラなもので…。
今回はひょんなことから部室に複数転がり込んできた20年前に期限の切れたフィルムを使ってみたのでそちらの紹介。
FUJIFILM MINICOPYFILM HRⅡ
名前の通り元々文書や地図などの複写用のフィルムで表記されているISOは6。パトローネにDXコードなんてものは無く、期限は1994年の9月。僕が生まれる前…。
あんまりにISOが低いもんで、箱に「もし、カメラや露出計に6の目盛りがないときには、ISO目盛りを25にあわせて測光後、絞りを2ステップ開けるかシャッタースピードを2ステップ遅くします」との表記…。
そんな複写用フィルムHRⅡをスナップで使ってみようというアホな発想で撮影に出かけました。
福島県、大内宿へ
5月の晴れた日に大内宿へ行ってきました。
使用カメラPENTAX MXなのでISO設定は6に合わせることができません。仕方なく別で露出計を使うことにします。
この日は大変良い天気で光量は十分なんですが、その分明暗部の差のお陰で飛ぶわ潰れるわ…
複写用なので当然屋外での撮影には向かない印象。
黒はストンと落ちて白は飛ぶ。文章の複写なんかにはそのほうがいいんでしょうね。
ISOが低いのでドピーカンでもSSを好きなだけ遅くできます。
水路の水でビールやジュースが冷やされていて、近くでは魚や団子を焼いていて非常に魅力的…
最高に罪の味がします pic.twitter.com/0hneBHaaoI
— Toda@気がつけばふくぶちょー (@kx_penta) 2017年5月2日
これできっと気持ちの良い写真が撮れるはずです。
ちょっと暗いところを撮ろうものなら容赦なく白飛び。
ここまで来ると清々しいですね。
これくらいならなんとかなるか…
それにしても白が滲んでるのはレンズの問題だろうか。
そもそもPENTAXのMレンズでこんな超々微粒子フィルムに対して解像力足りてるのだろうか…絶対足りてないと思うんだよな…
ここまでの写真はフィルムをTIFFでスキャン後Lightroomで少しシャドウを持ち上げたもの。モノクロ写真をLightroomで現像すると少し温黒調になるのが気になる…。
純黒調のが好きなので現像でどうにかならんものか。黒レベルをいじるとシャドウ持ち上げたところが潰れるしなぁ。デジタル現像を勉強しないと。
このHRⅡですが、現像液はFUJIFILMでは専用のコピナールを推奨。データシートもホームページで閲覧できるので現像も安心。現像液に関しては現在でも販売されているので中古で期限切れHRⅡを見つけたら自家現像してみては?
HRⅡデータシート
http://fujifilm.jp/support/filmandcamera/download/pack/pdf/datasheet/ff_minicopyfilmhrii_001.pdf
比較としてACROS100のデータシートを
http://fujifilm.jp/support/filmandcamera/download/pack/pdf/datasheet/ff_neopan100acros135_001.pdf
データシートによるとフィルムの解像力は1000:1でACROSが200本/mmでHRⅡが850本/mm。複写用だけあってすごい差。
というか特性曲線が露骨に違ってて面白いですね。なんかHRⅡの特性曲線は中和滴定曲線みたいな形してる…。特性曲線については直線部の傾きが大きいとラチチュードが小さいという程度の認識しかないんですが大丈夫なんだろうか…。
一応映ってる pic.twitter.com/oUYbhHnD6q
— Toda@気がつけばふくぶちょー (@kx_penta) 2017年5月4日
フィルムベースがえらく透明でネガの段階ではほとんどただの黒と白しか見えなかったのでちゃんとスキャンできるか心配してましたが意外となんとかなるもんですね。
撮影前は紫のベースだったので定着液が薄ピンクになって出てきたときは焦りました。
低感度フィルムといえばCMS20Ⅱがありますね。135から4×5まであるので(8×10もあったかな?)使ってみたいフィルム。シノゴはACROSもなくなってしまうしやるか。大判。